Q&A
映画の著作物の存続期間にはいくつか注意すべき点がありますので、本当に存続期間が満了しているか充分注意する必要があります。
映画の著作物の存続期間は、現行法では公表の翌年の1月1日から起算して70年(未公表の場合は創作後70年)(ただし、2004年1月1日より前に50年を経過した著作物は50年)を経過するまでの間存続するとされています(第54条第1項、第57条)。しかし、その映画の著作物に録音録画されている著作物の存続期間は録音録画されている著作物の著作者が亡くなられた翌年の1月1日から起算して50年間存続します(第51条第2項、第57条)。
したがいまして、映画が公表された翌年の1月1日から70年を経過した後であっても、その映画に使われている音楽等の著作権は存続期間内で著作権が消滅していないことが考えられます。
また、旧法下の独創性のある映画の著作物の存続期間は、著作者が亡くなられた翌年(複数の著作者がいるときは最終に亡くなられた著作者が亡くなられた翌年)の1月1日から38年とされていました(第52条第1項、第22条の3、第3条、第9条)。現行法附則第7条は、旧法により算定した存続期間が現行法で算定した存続期間より長い場合には、旧法によるとしていますので、監督などの映画の著作者が亡くなられた翌年の1月1日から38年を経過していない場合には、映画の著作物の著作権が存続していることになります。
なお、外国の著作物につきましては、戦時加算(日本との平和条約第15条等)等の特例にも注意を払う必要があります。