Q&A
判例では、家庭用ソフトを家庭内で視聴する目的で販売する場合には、著作権者の許諾なしで中古販売できるとしています。しかし、公衆への貸与、公の上映、放送等を目的とする中古販売には著作権者の許諾が必要です。
頒布権は、ビデオソフトなどを不特定の人や多数の人に貸したり、譲ったり、不特定の人や多数の人にみせる目的で貸したり、譲ったりする権利です。2002年に最高裁判所は、不特定の人や多数の人にみせることを目的としていないならば、著作権者の持つ頒布権は消尽する(及ばない)旨の判断を示しましたので、家庭用ソフトを家庭内で視聴する目的で中古販売することは、頒布権侵害とはならないと考えられます。
しかし、家庭用ソフトを公の上映目的や放送目的等で中古販売することは不特定の人や多数の人に見せる目的となりますので、著作権者の許諾が必要です。このように、ビデオソフトの中古販売が認められる場合はかぎられていますのでご注意ください。
ビデオソフトには、その利用の目的によって「個人向け販売用のビデオソフト」、「業務用のビデオソフト」及び「個人向けレンタル用のビデオソフト」があります。個人向け販売用のビデオソフトを、公の上映目的等で販売することは、著作権者の許諾なしで行うことはできません。例えば、販売先が企業や団体等である場合には、公の上映や福利厚生のためのレンタル等、不特定の人や多数の人に見せる目的で購入されている場合が考えられますから、注意が必要です。
また、業務用のビデオソフトは、ビデオソフトメーカーなど著作権者が頒布先を特定して貸し出しをするのが通例です。ビデオソフトの所有権はビデオソフトメーカーにあり頒布権も著作権者にありますので、著作権者に無断で中古販売することはできません。
レンタル店用のビデオソフトは、レンタル用としてお店に販売されたものと、レンタル用にお店に貸与されているものがあります。当協会の『個人向けレンタルシステム』に参加しているメーカーは、後者によってビデオソフトを供給していますが、貸与期間と貸与期間満了後の消費者への中古販売については、ソフト供給メーカーの判断によります。レンタル店向け商品の消費者への中古販売についてはビデオソフト供給メーカーにお尋ねください。
なお、著作権者に無断で、レンタル店向けビデオソフトを不特定の人や多数の人に見せる目的(上映目的、放送目的、レンタル目的等)で中古販売することはできません。したがって、レンタル店に中古販売することは著作権者の許諾が必要となります。