Q&A
著作権者に補償金を支払うことで、処理をすることができます。
国や地方公共団体が設置する視聴覚教育施設や公立図書館等が、無料で貸し出しをする場合には、権利者に対して相当な額の補償金を支払わなければなりません(著作権法第38条第5項)。公立図書館等や視聴覚教育施設などの政令で定められた施設の行う映画の著作物(ビデオソフトなど)の無償貸し出しについて著作権者の権利を制限する(著作権者の許諾を必要としない)代償として、著作権者に相当な額の補償金を支払うこととして、著作物の利用と著作権者の利益を調整しているのです。
補償金の取り扱いについては、著作権者側と施設側との間で協議が行われ、1986(昭和61)年に、視聴覚教育施設と著作権者との間で団体間協定が結ばれました。教育教養作品にはビデオソフトの小売価格の100%、娯楽作品には300%の補償金を価格と合わせて支払うという内容です。
一方、公立図書館等との間では6年以上の協議を経ても補償金額で合意できませんでした。そこで、当協会は協議の到達点を踏まえて各ビデオソフトメーカーが公立図書館等へのビデオソフトの供給を開始するという提案を行い、1992(平成4)年11月11日、この提案について日本図書館協会の合意が得られたため、翌年より公立図書館等への貸出用ビデオソフトの供給が開始されました。
現在、多くのビデオソフトメーカーは、「公共機関用」等とジャケットに印刷したり、シールを貼付したりして、直接又は流通事業者を通じて公立図書館等に「補償金」処理済みのビデオソフトを供給しています。
日本映像ソフト協会でも、「補償金処理済み」と明示したシールを作成し、会員会社に供給しています。
ちなみに、新作の提供や1タイトルについての購入本数に制限がつく場合があります。
図書館向けビデオソフトの供給と補償金の支払いについては、当協会加盟社のビデオソフトの場合には直接各ビデオソフトメーカーに連絡してください。「上映用・業務用問合せ窓口一覧」を参照ください。
なお、視聴覚ライブラリーと異なり、「公立図書館等」向け価格に含まれる補償金は、通常、公衆に提示すること(公の上映等) を目的としないで貸与する場合の補償金ですから、「公立図書館等」向けビデオソフトは、公の上映を行う目的の利用者に貸与することはできませんのでご注意ください。
ところで、権利制限の対象となっていない学校図書館などは、ビデオソフトの貸し出しには著作権者すべての許諾が必要です。