Q&A
市販のDVDビデオやレンタル店から借りたDVDビデオ等ではなく、上映用のビデオソフトをご利用ください。
ビデオソフトメーカーでは、市販のDVDビデオと同一タイトルを「公の上映用」として供給している場合もありますので、「公の上映用」のものをご利用ください。上映用のビデオに関するメーカー連絡先は下の「上映用・業務用問合せ窓口一覧」をご参照ください。
なお、ビデオソフトを上映する場合、音楽の著作物の権利処理が別途必要となることがありますので、JASRAC等の音楽著作権の管理事業者におたずねください。
TEL:03(3481)2121(大代表)
【非営利上映をめぐる学説状況と当協会の考え方】
著作権法には(1)営利を目的とせず、(2)観衆から料金を受けず、(3)実演家等に報酬を支払わない、場合には公に上映することができるとする規定があります(著作権法第38条第1項)。そのため、市販のDVDビデオを使って上映会を行うことは許されるとする見解があります。
しかし、上映権を制限する著作権法の規定は「WIPO著作権条約」や「ベルヌ条約」などの著作権に関する多国間条約との関係で問題があるのではないかという見解もあります(Q4参照)。
また、レンタル店用のDVDビデオは、家庭内視聴を目的とする個人のお客様への貸与の許諾があるに留まりますので、レンタル店がその許諾の範囲を越えて上映会のために貸与すると頒布権を侵害してしまうことになります。
同様に、市販のDVDビデオも、著作権者が家庭内で視聴する個人のお客様に販売することを許諾していることを考えると、公の上映を目的とするお客様に市販のDVDビデオを販売することは、頒布権という著作権法上の権利(著作権法第26条、第2条第1項第19号)を侵害することになるのではないかという問題があります。
この考え方のちがいは、学園祭などでの上映会が著作権者に与える影響と権利を制限しても自由に利用してよいとする必要性があるのかという点をどう考えるかに関わると思います。その点では、ホームビデオが普及する以前から16ミリフィルムで著作権者の許諾を取って上映会が行われてきたという経緯がありますので、メディアがDVDビデオに変わったからといって著作権者の権利を制限する必要性は少ないと考えられます。
ドイツやフランスでもこのような利用を権利制限の対象とはしていませんし、権利制限の一般規定(フェアユース・フェアディーリング)を持つアメリカやイギリスでも権利制限の対象とはなりがたい利用だと言えます。
フランス、イギリス、ドイツ、アメリカの立法例については、当協会会報(http://www.jva-net.or.jp/bulletin/)2013年8月号と2014年4月号の以下の論文をご参照ください。